調停離婚とは?調停離婚の手順について弁護士が詳しく解説

調停離婚とは?

調停離婚とは、夫婦間で離婚の意思の合致が得られない場合や、離婚意思の合致はあるが慰謝料や財産分与、子供の親権などの離婚条件を夫婦間の話し合いでまとめることができない場合に家庭裁判所に離婚の調停を申し立てて、離婚することを言います。

法律でまず調停を行わなければならないという調停前置主義がとられているため、いきなり裁判を起こすことはできないためです。調停は、家庭裁判所で調停委員2名と親権が問題になる場合には調査官が同席し、双方の言い分を聞きながら進めていきます。調停はあくまで話し合いの場であり、調停委員が離婚することが適切であると判断しても、最終的に双方の合意がなければ離婚は成立しません。その場合には離婚訴訟に移行する必要があります。

調停離婚をするには?

調停離婚の手順は、

家庭裁判所に調停の申し立てを行う→裁判所から通知が相手方に届く→調停期日→調停成立

という流れで進みます。

詳しく見ていきましょう。

①調停の申し立て

申し立ては、夫婦のどちらか一方のみで行うことができます。調停申立書に必要事項を記入し、必要書類を添付して、提出します。申立書には、親権者や、養育費、財産分与、慰謝料の金額の記入欄があり、希望金額の記載が必要です。調停では、この申立書の金額をもとに、離婚条件の調整をされます。金額の見当がつかない場合は、事前に弁護士に相談するなどして相場を理解しておいたほうがよいでしょう。

なお、どこの裁判所に申し立てるかですが、調停には管轄というものがあります。どこの裁判所がその離婚について調停をすることができるのかということです。
これは、法律に定めがあり、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てなければなりません。たとえば、別居して大阪にいて、相手方が東京にいる場合は、東京の家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります。双方が合意すれば、合意管轄といって、合意した裁判所に調停を申し立てることができます。

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②通知の郵送

調停の申し立てが裁判所に受理されると、家庭裁判所から第1回目調停期日が記載された呼び出し状が相手方に郵送されます。調停期日にどうしても出頭できない場合は調停期日の数日前までに期日変更申請書を家庭裁判所に提出する必要があり、特別な理由なく、出頭しないと5万円以下の過料となります。

③第1回目調停期日

調停は、当事者が出席するのが原則です。弁護士に依頼していれば、弁護士だけが出席することもできます。しかし、調停は現場での判断が必要になることもあること、調停員と直接話をするという調停の特徴があることから、本人も出席して進行するほうがベターです。

調停では、2名の男女ペアの調停委員から事情を聞かれます。当事者双方から交互に話を聞きながら進行します。ここで、うまく進行させなければ不利になることもあるので、注意が必要です。

よく気にされることで、調停で相手と顔を合わせるかということですが、交互に話を聞くので、原則として会うことはありません。しかし、裁判所によっては、最後に同席させたりすることもありますし、裁判所の中であってしまうこともあり得ます。

弁護士に依頼していれば、同席はまずありませんし、たまたま顔を合わせることも防ぐために裁判所に部屋を別の階にして、帰るときは時間差を設けるよう要請します。

④第1回後の流れ

第1回期日で終了することはあまりなく、第1回で双方の考えを確認し、その後の進行を決めていきます。

調停は2回目、3回目と約1ヶ月~1か月半の間隔で行われ、合意に至る場合も、不成立に終わる場合もおおむね半年程度で終了するケースが多いです。

調停のメリット

裁判所という公的な場で第三者を間に挟むことによって、妥当な結論に至る可能性が高  

いこと
親権者・監護者、養育費、財産分与、慰謝料、婚姻費用、面接交渉など、多くの問題を 

同時にまたは順番を決めて話し合っていくことができること。
があげられます。
やはり、当事者間で話し合いを続けるよりも、妥当な解決を図りやすく、弁護士が代理人として話を進めていくこともできますので、双方の言い分・争点が整理されやすく、妥当な結論に至りやすいといえます。

調停が成立した場合

調停によって双方の合意が得られた場合は、調停が成立し、調停調書が作成されます。

調停成立の日に離婚が成立します。
この調停調書は確定判決と同一の効力を有し、調停調書の内容に不服があってもそれ

を覆すことはできません。
また、調停調書の条項で金銭の支払いを定めた場合には、調停調書に基づいて強制執行することもできます。

離婚届の提出

離婚届は調停調書作成日を含めて10日以内に調停を申し立てた側が、調停調書の謄本、戸籍謄本を添えて、申立人の所在地または夫婦の本籍地の市区町村役場へ提出します。夫婦の本籍地の市区町村役場へ提出する際には戸籍謄本は不要です。

調停離婚に基づいて離婚届を提出する場合、双方の著名な押印は必要なく、調停調書(通常は抄本です)を持参して、一方だけの署名押印で、離婚届を提出することができます。

 

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