財産分与と債務⑤
住宅がオーバーローンではあるが、その他に財産がある場合の計算方法はどうなるでしょうか?
考え方としては、ローンを全体の財産から控除した上で分与する、オーバーローンの物件は価値が
ないとしてその他の財産を分与するの2通りがあります。
裁判例では両方ありますが、前者の全体の財産から債務を控除する考え方が実務では多いと思われ
ます。
住宅ローンを控除した結果、マイナスになる場合は、分与する財産がなく財産分与はないという帰
結にするのが妥当かと思われますが、その他の見解もあります。
また、住宅ローンを全体から控除するという立場をとったとしても、当事者間の公平の見地から
控除しないという結論もあり得ます。例えば当該不動産が収益物件である場合や不動産を取得する
当事者が将来の住宅ローンを負担する場合などです。
住宅ローンを財産分与で問題にする場合は、ケースによって多くの考慮要素があり、考え方も
多岐に分かれているのが実情です。
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